#156 連鎖的読書生活。

読んでいると、「あ、あれやろう」ってなりません?
Akane 2024.04.07
誰でも

4月になりました。二十四節気という季節の区切りで言うと、4/4は「清明」。「清明」は「清浄明潔」、春のうららかな日差しを受け万物が明るく清らかに光る時期のこと。お出かけがワクワクするようないい季節になってきましたが、今週はいかがお過ごしでしたか?

月初なので、季節の旬を素敵なイラストや情報で教えてくれる『旬のカレンダー』を参考に4月のことを見てみます。

旬の野菜は、春キャベツ、新じゃがいもなど。お菓子は、季節のフルーツを乗せたパイのポワソン・ダブリル。(写真がフリー素材で見つからなかったのだけど、可愛いのでぜひ検索していただきたい)お花はもちろん桜。それからガーベラ、タンポポなど。


私はというと、3月でいろんな仕事が一区切り。しばらくできなかった夜のゆっくり読書タイム、目覚ましをかけずに迎える週末、カフェで気持ちの整理をノートに書き出すこと、並びが荒れてしまった本棚の整理をすること、思い立ってスコーンを焼くこと...そんな自分が過ごしたい日々が戻ってきたのが嬉しくて毎日を噛み締めています。

いつもの成城石井スコーンミックスで作った<a href="https://note.com/yomushikadekinai/n/n9e29137f92ee"><b>楽々スコーン</b></a>

いつもの成城石井スコーンミックスで作った楽々スコーン

元はと言えば全て自分の計画ミスなので勝手にアワアワしていただけなのですが、余白があるだけで取り戻せる豊かさがあるとしみじみ・・・久しぶりにがっつり長編が読みたい気分です。

ということで、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、今日は、「読んだ本に行動を促されたり、読んだ本を誰かと共有したくなったり、やっぱり私、本と自分の毎日が繋がってるんだなー」と感じた1週間だったので、そんな話を。

それでは、今日もよろしくお願いします🙏

***

茶会の本々交換にて

数ヶ月に一度、お茶会をする読書仲間たちがいます。集まるといつもみんなで物々交換ならぬ本々交換が始まります。

この日も和カフェでわらび餅やらあんみつやらを味わいながら、本を差し出し合います。私がもらったのは、この二冊。

おやつと本が好きなのを察して、二人ともそんな選書をしてくれていました。

本で読んだ、「手紙はいいよ」

仕事が落ち着いて、私は読書時間を取り戻していました。3月最終日は日曜で、久しぶりに本屋さんをハシゴしようと街に繰り出します。

といっても、行くのは本をお取り寄せしてもらっている行きつけの本屋さんと、仕事場が近くて選書やイベントが面白い本屋さん。店主さんたちと話していたら、ついつい欲しい本が増えて積読があるのについつい買っちゃう...(でも、私には時間ができてきたから...!という言い訳を胸に)

ハシゴデーは六冊お持ち帰り📚

ハシゴデーは六冊お持ち帰り📚

夜の読書タイムは少しの甘いものと一緒に。今週は茶会仲間からもらった本のうちのひとつ、『橙書店にて』を読んでいました。

熊本のちいさな本屋さんの日常を綴った本なのですが、忘れそうで忘れてはいけない多くのことが、淡々と、でもどこか温度を感じる文章で綴られています。

読み進めると「手紙はいいよ」という章に出会います。

私は手紙を書くのが好きで、文通仲間が複数人いるんです。それぞれは、そんなに密に交換しているわけじゃないけれど、ゆるやかに長く続いています。

「手紙はいいよ」の章を読んだら、「わかるわかる」となり、一度本を閉じ、今年に入ってから慌ただしくてお返事が書けていなかった文通仲間に向けて書き始めます。2枚出した便箋では足りずに、結局もう一枚追加。

こんな風に本を読んでいて、「あれをやろう」「これをやりたい」となることが少なくないです。

1万円選書の抽選結果

手紙といえば、ドイツに留学している読書&文通仲間が一時帰国をしたとのことで、ドイツビールのお土産を持って今週会いにきてくれました。(このレターのZINEの表紙になっている手紙を送ってくれる友達です)

連絡先は知っているけれど、滅多にやり取りはしない私たち。ただ、2ヶ月に一度くらいのエア・メールのやり取りはポストを開けた時に「当たり」を引いた気持ちにさせてくれていました。なぜか元気のない時に届くから、不思議なものです。

海を渡ってやってきた手紙は、どこか時間の経過を感じさせる風貌で届く

海を渡ってやってきた手紙は、どこか時間の経過を感じさせる風貌で届く

そんな中、あれは昨年の秋。珍しく電子でメッセージが届いたのでどうしたのかと思って開いてみると、「一万円選書申し込みました?」と一言。

「一万円選書」はヒアリングした読書カルテを元に一万円分の選書をしてくれるサービスなのですが、人気で抽選となっています。その申込日の締め切りを知らせようと連絡をくれたのでした。

(▼ ちなみに一万円選書のサービスをされている北海道のいわた書店の岩田徹さんが書かれた『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』について書いたレターはこちらから)

お互い申し込み、時は経ち、忘れていた今頃に再会した今週。

ドイツの暮らしの話よりも前に「一万円選書、当たりました?」と聞かれ、私は「連絡がない=当たっていない」と思い至ります。ちなみに読書仲間はドイツにいながら当選をしていた模様。羨ましい...

せっかくなので選書リストを見せてもらうと、なんと、つい先日読了したばかりの「いい本」や、私が大好きな一冊も入っていて、ついつい声がウキウキしちゃいます。

その「いい本」というのがこちら。

西加奈子さんの『くもをさがす』は、コロナ禍でカナダでがんに罹った西さんの日々が綴られています。他の章に比べるとかなり少なめの5ページ程度の最終章は、それでもこの本の締めくくりに相応しい時間をくれました。

発売当時、とても興味がありながら事情があって読めなかったその本は、今年に入って手に取って読んだら誰かに勧めたくてしょうがない本になっていたので、読書仲間が近く読むのだなと思うと、なんだか嬉しい気持ちです。

そして、すでに読んでかなり気に入っているといっていた散文詩集『深呼吸の必要』。私も大好きだったので、これまたタイトルを見つけた時には、素直に「私もこの本大好き!」と言ってしまいました。

『深呼吸の必要』は仕事場に置いてきてしまっていて手元にないので買った時の写真を...

『深呼吸の必要』は仕事場に置いてきてしまっていて手元にないので買った時の写真を...

長田弘さんは、私を詩集の世界に招き入れてくれた一人です。『深呼吸の必要』は、いい意味で詩集にしてはストレート。考える余白のある詩集も今は好きだけれど、詩集を読み始めの頃はこんなふうにスッと入ってくる言葉たちに出会えるといいんじゃないかなぁと思います。たまに人にも贈る本です。

そして、あなたにレターを

そうしてそんな本の話を、こうして週末にレターに書いてお届けさせてもらう、という日々を私は送っています。

すると、レターのお返事(メッセージ)を頂戴し、そこには気になる本の話も。

本はある意味、作者・著者の方からの手紙で、そのメッセージをいろいろな角度や登場人物やシーンを介して書いているのだと思います。私は読者であり、そして文を通す、文通相手でもあるのかも。

なんてことを思いながら、今夜も珈琲を一杯入れて、頂き物の美味しい甘夏パウンドと共に夜の読書を楽しんでいます。

読書家の皆様の暮らしは様々だけど、きっとお忙しく過ごしていることと思います。日々から捻出した時間の中に、いい本との出会いがありますように。

ということで、今週はこんなところで。

本当に手紙のようにつらつらと書いてしまいましたが、最後までお付き合いくださってありがとうございました。

人が動く時期で、新しい環境を迎えた方も少なくないかと思います。気付かぬうちに少しだけ疲れていることもあると思うので、そんな時は「深呼吸の必要」です。(読まなくても、この言葉は覚えておきたい)

それでは、また。

もし、来週以降、メールでレターを読みたいなと思ってくださった方はぜひレターを購読してみてください。(解除は簡単にできます。また、過去のアーカイブも全て見ることができます)

お届けできることを楽しみにしています💐

▼ 感想などお送りいただけると喜びます。紹介した本を読んだよ報告もとても嬉しいです。 (匿名なのでお気軽に。お返事は仕組み上できないのですが、全部ありがたく読ませて頂いています。質問は「裏レター(note)」に掲載させてもらうこともあるので、NGの方はその旨教えてくださいね)

【4月のイベント・在店など】
NIR IDENTITY & BOOKとして4月は2つ

📚 4/20(土)サン・ジョルディイベント - 本と、花と、珈琲と - @東京・浅草橋 11:00-16:00
※詳細は↓のスレッド参照

Akane🔖読書
@nir_books_akane
※再ポスト
4/20(土) 、多分、読書家のみなさまがちょっと気持ちの上がると思われるイベントやります!

「本と、花と、珈琲と。」

という、同じ地場で活動する、本屋さんと、お花屋さんと、珈琲屋さんとみんなで「サン・ジョルディの日」を読書家のみなさまと楽しもうというイベントです!

詳細は↓
2024/03/27 21:44
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📚 4/27(土)葉々社さん在店日 @東京・梅屋敷 12:00-17:00

私が作っている「読むしかできないブックショルダー」の新しい色が出たので、この日はそのお披露目も兼ねて在店していますが(と言ってもただいるだけでイベントとかでないので、本のおしゃべりなどしましょう)、それとは関係なく葉々社さんは人文系の選書がいい本屋さんなので、ふらりとと遊びにきてください🌼

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