#157 本の熟成。

美味しくなあれ。
Akane 2024.04.14
読者限定

念の為と思ってカーディガンを鞄に入れて出かけるも、袖を通すことなく帰ってきて「あ、春になったんだ」と思いました。比較的暖かい日が続いた1週間でしたが、いかがお過ごしでしたか?

今週いただいた新玉ねぎや春のお野菜のローストが美味しかった...!季節のものっていい🥕

今週いただいた新玉ねぎや春のお野菜のローストが美味しかった...!季節のものっていい🥕

今週の読書家にとってのニュースといえば、やはり本屋大賞の発表でしょうか。大賞は度々SNSで見かけていた『成瀬は天下を取りにいく』でした👏

本屋大賞ノミネート本、結構読んでいますか? 私は10位までの中だと既読は1冊、積読が1冊、図書館予約中が1冊でした。

個人的な注目は『サキの忘れ物』から好きになった津村記久子さんの『水車小屋のネネ』、翻訳部門大賞の韓国文学『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』です!

9位に選ばれた知念実希人さんの『放課後ミステリクラブ』は児童文学(だけど大人も楽しめるそう)で、本屋大賞に選ばれるジャンルとして珍しいなと思いました。

今週はかねてから行きたかった本屋さんに行くことができました。距離的には遠いわけじゃないのだけど、沿線が滅多に使わなくて...という場所ってありませんか? 

たまたまそちらの方面に用事ができ、いざ出陣!喫茶併設の素敵な本屋さんだったのですが、本のセレクトが面白くて、ウロウロが止まらずに多分3,4周くらいしていたら閉店時間が近づき喫茶は断念...

でも、充実の選書タイムに買った本がとても良かったので、今日はその本と、その本の中に出てきたちょっと興味深い「本の熟成」について、一緒に話せたらなと思います。

***

熟成したのは本じゃなかったのかも

恐らく本を読んできた人であれば一度くらいは経験していると思われる「読んだ本が全然頭に入ってこなくて本棚に寝かす」という事象。

私はあります。結構あります。寝かすまでいかなくても、「分からない(けれど読み進める)」ということはそれなりにあって、それはそれで「分からない」を楽しむという感じです。(一方で、「言い回しや物語の雰囲気、テンポやメッセージが自分とは合わない(作品が悪いのではない)」などの場合は降りることも)

最近、寝かせていた本があったので、再チャレンジしていました。その本は、円城塔さんの『これはペンです』

かわいい表紙に薄めで身軽な文庫。さらに「This is a pen」って入門中の入門の英語から来ているタイトル。すぐに読めると思うでしょう...?

ところがびっくり。出だしからわからない。書き出しは、これ。

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