#4 おいしく満たされる本を読む。

「満たされる」のは、おいしいごはんも本も同じ。それって両方あったら最強なのでは、と思う、とっておきのおいしい本。
Akane 2021.03.07
誰でも

こんばんは、Akaneです。今日のおしゃべりのお供はひしわの紅茶です。前回のテーマは「美人の条件」でしたが、読んでくださった皆さまも感想のメッセージを送って下さった皆さまも、ありがとうございました!。

今夜も、お茶でも飲みながら適当に読み飛ばしつつ、ゆるりとお付き合いください〜。

***

ココロ惹かれる中華を感じる

さて、ちょっと余談からはじまるんですが、現在わたしは4月に受ける資格試験のため日々勉強に励んでおります。しかし、どうしたって集中力が続きません。そんな時に活用している方法が、勉強が一区切りしたらアニメ『キングダムを1話分観るという「ご褒美キングダム法」(命名わたし)です。

ちなみに、実際のところ時間で区切り休憩するというのは、人間の集中力との関係から見てもかなり効果的らしい。急がば回れ的なことなのかな。ちなみに「急がば回れ」の語源は琵琶湖の渡り方。湖を渡る時に舟は便利だけど危険が伴う(昔はね)、陸路は遠いが確実にいけるというところから。

アニメ『キングダム』シーズン1 / ©原泰久・集英社/NHK・総合ビジョン・<wbr style="color: rgb(77, 81, 86); font-family: arial, sans-serif; font-style: normal;">ぴえろ / 2013

アニメ『キングダム』シーズン1 / ©原泰久・集英社/NHK・総合ビジョン・ぴえろ / 2013

歴史が好きなので、ずっと気になっていたものの、話数が多いので躊躇していたのですが、ここにきてどハマりしています。

戦乱の秦という国を舞台に無名の少年と若き王(後の始皇帝)が中華統一へと向かう物語は超壮大。私の資格試験なんて小さなものだと思わせてくれる。笑。1話見終わると謎にやる気がみなぎって、せっせと問題集を解けるのです。

大人になると夢とか大きいこととか言うの躊躇しちゃうし、わたしは保守的な性格上、現実的なことばっかり考えちゃうから、アニメや漫画、本などで感じられる壮大な夢の追体験は、わたしにとって行動の着火剤だったりします。そういうのってありません?

ちなみにキングダムの時代は紀元前の春秋戦国時代と言われるとき。この頃、日本はようやく縄文終わって弥生時代。え、そんな古い時代だったの?中国の歴史の長さを感じさせるね。感覚と事実がズレていることってほんとよくある。

アニメを見ていたら世界史での描かれ方が気になって、世界史の本で中国史を確認する。そうすると、今度は書いているひとによって時代をどう見るかが違うことに気づく。ある視点から感動的なものだって、別の視点から見たら違う風に見えるというのも、大人になって心に留めておいていることのひとつであります。

あとは、読んでいて思うのが、成果を残しているひとは、やっぱり成果をひとりであげている訳ではないということ。自分が何か達成した折には、同時に感謝する人リストは多分ずらーーーっと連なっていることだと思う。それから、今はいろいろとオープンな時代で、周りの成果も見えやすくて気になっちゃうこともあるけれど、それは切り取った一部分だということを忘れてはいけないなって。意識していると揺れないで暮らせそう。

***

お酒を飲まずに酔ってみる

ちょっと中国の話つながりでご紹介したいのが、おかざき真里さんの阿吽という漫画。

阿吽』は、歴史の授業で誰しも一回は聞いたことのあるであろう「空海」と「最澄」という、同時代に生きた仏教の天才たちのお話。(ふたりは中国に遣唐使として入唐している)

長い歴史の中では一瞬かもしれない時代だけれど、密度の高い内容と魅力的な人物たちが恐るべき画力で圧力満タンに詰め込まれていて、いい意味で酔うように読めるのが『阿吽』なのです。(ただし、読むと体力奪われるので注意)それにしても、空海も最澄も半端なく綺麗な名前だよなぁ。

さて、めちゃくちゃ前置きが長くなりました。(え、前置きだったの。ってなった方ごめんなさい...)前菜多すぎのコースの如くでしたが、ようやくメインにまいります。

***

三人集まれば、はふはふホクホクふぅぅぅぅ〜

おかざき真里さんは、カメレオン漫画家とも言えるほどに作品によって空気が違う。その幅の広さにただただひれ伏すしかないわたし。今回のテーマ、「おいしいごはんを読む」が突如湧いて出たのは、そんなおかざき真里さんの「かしましめし」がアツイからである。本は紙派のわたしですが、Kindle限定のカラーページに惹かれて&すぐ読みたくて珍しく電子書籍で買いました。

『かしましめし 1』おかざき真里 / 祥伝社 Feelコミックス /2017

『かしましめし 1』おかざき真里 / 祥伝社 Feelコミックス /2017

「かしまし」は「姦し」と書き、字の如く「女子三人集まればワイワイする」の図である。『かしましめし』は同じ美大出身の、千春、ナカムラ、英治の3人が、それぞれいろいろな事情を抱えながら千春の家で宅飲みしている物語。この漫画のいいところは、とにかくごはんを食べている図がおいしそうで充足感に溢れ、見ているだけで満たされるところ。ポイントが、「おいしそうなごはん」なのではなくて、「おいしそうに食べている3人」の方ということ。

『かしましめし 1』おかざき真里 / 祥伝社 Feelコミックス /2017

『かしましめし 1』おかざき真里 / 祥伝社 Feelコミックス /2017

食べ物それ自体を求めるのならば、食の雑誌でキレイな写真が載っていたほうが良いだろうし、テレビでおいしいご飯屋さんの特集を見たほうが早い。わたしがおいしいごはんを「読む」のは、きっと彼・彼女たちの心の声まで聞こえる状態で見届けることに幸せを感じるからなんだと思う。

この『かしましめし』では、千春の家がごはんの舞台になるのだけど、千春はふたりがいないときは「コンビニでいっか」となる。これ、でも、分かるなーと思う人はいるのではないかな。食事ってめちゃくちゃ変数が多くて、「どこで食べるか」「誰と食べるか」「いつ食べるか」「何を食べるか」「何のために食べるか」「どんな風に食べるか」とかのひとつひとつが違うと、全く違うものになる。その組み合わせは本当にさまざまで、正解なんてない。

なんかじっくり「自分はどんなごはんが幸せか」なんて考えることってなかなかないけれど、衣食住は生きるベース。だから、もしよければ今、ふんわりと頭の中に浮かべてみて欲しいなって思いました。私もまた、そんな風に考えることってなかなかないけれど、本や漫画を読んでいると、ぐっとくる食事のシーンがあって、そこで自分の「しあわせなごはん」を認識できるから、本ってやっぱいいなって思っちゃいます。

わたしは今、東京に住んでいて緊急事態宣言が再延長となったので、またしばらくお預けになるけれど、はやく落ち着いて、気兼ねなく一緒にご飯を食べる友達に会いたい。な。

***

食べることは、生きること

衣食住は生きるベース、とさっき書いたけれど、まさにそうだなと思わせてくれる小説がこちら。夫婦脚本家で、ふたりでひとりの木皿泉さんの『昨夜のカレー、明日のパン』、そして宮下奈都さんの『太陽のパスタ、豆のスープ』。

知っている人も多いと思うけれど、これは、読み返したくなる小説。私の大事な本のひとつ。ここは、あえて感想は書かないでおきます。未読の方で、ピンときたら、きっと「読み」だと思うし、持っている人で、ピンときたら、きっと「再読の時」だと思う!

それでは、今日もだいぶおしゃべりが過ぎてしまったけれど、こんなところで。最後まで読んでくれてありがとうございました!

また次の日曜の夜にお会いしましょう👋

***

次回は!

次回は「すれ違わないコミュニケーション」がテーマ。コミュニケーション上手なひとは、明日暇?って連絡しないらしい。それは何でかしら。

▼要望や感想・話したいテーマなどもお待ちしています。お悩みがあれば、それを解決できる本を探してきます◎

もし面白いなーと思っていただけたら、お知り合いにちょこっとお話してもらったり、SNS等でシェアしてもらえるととっても嬉しいです!

無料で「拝啓、読書家様」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら