#67 30分不思議体験本。

30分で読める、短編じゃなくて、絵本じゃなくて、不思議な一冊を。
Akane 2022.06.26
誰でも

6月ももう終わり...ということは、なんと今年も半分終了ですね( ⚆ ⚆ )!私の住む東京では30℃を超える日も続き、なんだかすっかり夏の様相です。

そんな中、私は都内某所で長袖のつなぎに防塵マスク、ゴーグル、溶接用の面をあて、バチバチ散る火花にビビりながら溶接を習いに行っていました。

鉄を曲げたり、切ったり、溶接したりしながら作った文庫棚は、全体的に細部はガタガタなんですが、どうにか形になりました✌️

実際にやってみると職人さんへの尊敬度がとんでもなく上がる...

実際にやってみると職人さんへの尊敬度がとんでもなく上がる...

実は、本当につくりたいものは別のもので、今回は準備として金属加工の仕組みを覚えてこようと足を運んできたのでした。本当につくりたいものが出来上がったら、またレターでも是非シェアさせてください!

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さて、今週は号外もお届けさせて頂いたので、ちょっと短めのレターをお届けします。

ご紹介する本もまた、ショート。でもショートショートとかではなくて、普通の短編と呼ぶにはなんだかしっくりこなくて、挿絵が入ってるんだけど、別に絵本という訳でもなくて...という、ちょっとふしぎな文庫本。

その名も、『ふしぎな図書館』

<i>すしざんまいポーズのドーナツ作りが得意な羊男、かわいい。</i>

すしざんまいポーズのドーナツ作りが得意な羊男、かわいい。

ものがたりを書いているのは、村上春樹さん。そして、挿絵を描いているのは佐々木マキさん。

佐々木マキさんは、かわいい絵柄とお名前から女性を想像しやすいのですが男性です。村上春樹さんの初期三部作(『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』)も佐々木さんが担当されています。

『ふしぎな図書館』は、図書館に本を借りにきただけなのに、なんだか変なことになって図書館から出られなくなってしまった「ぼく」と図書館の地下で出会った人々(?)の脱出物語。

大人7割とこども3割をよく混ぜて2で割って辛みある隠し味を入れたような、絵本の表と小説の裏があるような、とにもかくにもあんまり読んだことのないような空気感の本です。

調べてみると、もともとは1982年に書かれた『図書館奇譚』という短編がベースになっていて、一応分類としては「絵本」にあたるのだそう。(この本自体は2005年に刊行)

村上春樹さんといえば、文章だけで誰が書いたかわかる特徴的な表現で知られますが、そういった様子をお見かけしないなと思っていたら、やはり言い回しは絵本化にあたり変更されていたようです。

例えば、こんな感じ。

「本当に君の意志でここに来たのかい?」(※なんか村上春樹さんっぽい言い回し?)
 ↓
「ほんとうにここに、本を読みにきたくてきたんだね?」(※特に言い回しは普通)
出典: フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia) - 図書館奇譚 ※はAkane注

この本のすごいところは、文字も少し大きく、間隔もひろくて、ポップな挿絵もあって、語り口調もやさしくて、30分ちょっとくらいで読み切れるのに、読後感が結構長らく読んだ重みを感じること。いい意味で挿絵とマッチしていない怖さが好きです。


この不思議な感覚を体験しに、ぜひ30分、この本に預けてみるのはいかがでしょうか📚

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来週は、とにもかくにも暑いです。暑いとなんだか体が疲れやすくなります。お外でも部屋の中でも、熱中症に気をつけて、水分もたくさんとって過ごしてくださいね。本を読むのも元気じゃないと読めないことも多いものです🥲

それでは、6月も本当にお疲れ様でした!2022年も半分終わったので、7月はどこかのレターで上半期ベストをお届けできればなと思っています。

ということで、今週はこんなところで👋

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