#185 突然ですが、今日は読書の日です。

夜に宝石を磨く、と思いながら / 『もしもし、こちらは夜です』
※今週は裏レター(note)も更新しています(最下部)
Akane 2024.10.27
読者限定

突然ですが、今日は読書の日です。そんな日に本のレターをこうして送れることが嬉しく思います!

読書の日は、「読書週間」の初日で、この読書週間というのは戦後1947年に出版社、取次、書店、公共図書館、マスコミなどが共同で定めたと言われています。いつも読んでいる方々は「読書の秋だから」という理由で何か変わることもないかもしれませんが、それでもちょっと特別な気がするのがこの季節です。

お友達からもらったお茶コレクションと白川郷おからクッキーが美味しい...!

お友達からもらったお茶コレクションと白川郷おからクッキーが美味しい...!

読書は1年中できるのに、なんで「読書の秋」なの?と思うかもしれませんが、一応諸説あると言われつつも有力なのが、「漱石の代表作の一つでもある『三四郎』の中である漢詩が引用されたことから広まった」というもの。

唐の時代、韓愈(かんゆ)という詩人が詠んだ「符読書城南詩(ふじょくしょじょうなんし)」という詩があるんですが、その詩では

「秋になり、長雨も上がって空が晴れ渡り、涼しさが丘陵にも広がる。夜の灯りがやっと身近に感じられ、本を広げて読むのが心地よい」

と詠われていてるそうです。電気が普及し、なかなか夜の灯りで読むことはない時代になったけれど、最近の涼しさは「ちょっと読みに出かけようかな」という気持ちにさせてくれるように思います。

ちなみに、『三四郎』はご存知の方も多いかもしれません、熊本から東京へ上京してきた大学生・小川三四郎が、見るもの全てが目新しい東京で自由気ままな都会の女性・美禰子に出会って翻弄されていく青春物語。学問や友情、恋愛を描いてこの後『それから』『門』と続いていく話の序章にあたる作品です。

ちょっと違うんだけれど、地方から東京へ出てきて、色々な人に会い翻弄されながら生きる日々を描くという意味では、どこか吉田修一の『横道世之介』も「現代版三四郎」という感じがします。

余談なんですが、私、ネイルをするのが好きなんですね。お店には行かなくて基本自分でやるので色々とネイルカラーたちを集めています。

お気に入りは「OSAJI」というブランドのものなんですが、それぞれの色に「イメージの名前」が付いているんです。で、私がついつい名前に惹かれて買ったのがこちら。

パッケージの文字を見ると「Sorekara」と「Mon」。担当者のかた、漱石好きだったんだろうか...

パッケージの文字を見ると「Sorekara」と「Mon」。担当者のかた、漱石好きだったんだろうか...

「それから」と「門」です。漱石セット!でも、「三四郎」はなかった...

というとで前置きがだいぶ長くなってしまいました。

せっかく「夜の灯りがやっと身近に感じられ、本を広げて読むのが心地よい」という話が出たので、今日はそんな夜を楽しむこんな本を。

***

夜に宝石を磨く、と思いながら

私は夜行性で、というか朝がてんでダメで、9時からのMTG(出勤)があろうものなら、前日からドキドキしてうまく寝付けず、アラームを二つかけ、心配しすぎて夜中の3時に一度起きる。そんな人間です。会社員を辞めようと思った理由の一つに「朝起きられない(という自分の習性に気がついた)」というのがありました。できなくはないけれど、すごく無理していた。30代に入って、無理をするのをやめよう、なるべく毎日やっている無理から。と思ったのでした。

私は夜にコーヒーを飲み、ちょっと甘いものを出し、読書をすることがあります。週に何度か。「自分らしい」というものを挙げるならば、TOP3くらいに出てくる行動様式かもしれません。

読み終えた後に、カップを洗い、洗面所に行き、歯磨きをするのですが、ある日から、夜の歯磨きタイムがちょっと特別になったんです。

そのきっかけがこの本でした。

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