#174 大人の10分間読書におすすめの本。

こんなに違う、世界の「国語」を添えて。
Akane 2024.08.11
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「お盆休み」と呼ぶ時期に入ってきました。相変わらず暑い日や、なんだか穏やかではない自然の様子も気に掛かりますが、最近はいかがお過ごしですか?

コーヒー牛乳にアイスを乗せてコーヒー牛乳フロート(追いアイス付🍨)にハマっています

コーヒー牛乳にアイスを乗せてコーヒー牛乳フロート(追いアイス付🍨)にハマっています

私はフリーランスなのでこれといった休みは決まっていませんが、お客さんの会社がお休みなので仕事のペースは抑えつつ、まとまった時間がなくてやれなかったを進めていこうと思っています。

その一つが、仕事場の本棚の片付けです。引っ越し後、なかなか手がつけられずにとりあえず積み上げていただけだったので、まずはちゃんと開くところから...

あとは、せっかく時間がある&仕事の連絡も来ないので、スマホはそっとしまって積まれている本たちをどんどん読んでいきたいです!

さて、「夏休みの本」といえば、大人になっても「青少年読書感想文全国コンクール」のラインナップは気になるところ。

私が今年の本で気になるのは、小学校高学年の部の『ぼくはうそをついた』『図書館がくれた宝物』

読書感想文全国コンクール公式より

読書感想文全国コンクール公式より

両方とも戦争について触れています。私、本当はちゃんと知りたいし関心はあるものの、描写によっては苦しくて読めない時があるので、同じような人はもしかしたらこういった小学生などの子供を対象とした本もいいかもしれないです。

2024年の推薦図書も興味深い本がたくさんあって眺めるのも面白いですよ!↓

今でこそ、こうしてレターやSNSなんかに感想を書くものの、読書感想文を書いていた当時はそんなに気乗りしていなかったような記憶があります。多分、書きたいことをうまく表現するための言葉を持っていなかったり、読んでも分からなかったりして、自分の気持ちをうまく説明できなかったんだろうと思います。


ちょっと余談を。

「国語」という教科について調べていたら、「国語」という言葉が造語だということを知りました。

英語では「Language Arts(ランゲージ アーツ / 言語技術)」というらしく、「聞く」「読む」「話す」「書く」の四技能を通して、いかに自分の思いを正確に「伝えるのか」を学ぶ授業らしいです。

日本の国語は「筆者が言いたいことを抜き出しなさい」とか「登場人物の気持ちを書きなさい」といった「相手を想像する」学習が多かったような記憶が。そう思うと、「いかに自分の思いを正確に伝えるのか」というランゲージ・アーツとはちょっと異なるところもありそうだな、とも思いました。


2010年刊行なのでちょっと前の本ですが、『こんなに違う!世界の国語教科書』という、その名の通り世界の小学生の教科書を比べた本によると、それぞれの国の特徴やテーマはこんな感じらしい。(当時なので、今と変わっているかも。その頃そうだったんだ、へええ、と参考までにくらいで読み流してください🙏)

  • アメリカ🇺🇸:「アメリカン・ドリーム(出身や階級に関係なく、自らの努力で成功をつかむことができる)」と多様性の受容がテーマ。キング牧師の話とか

  • イギリス🇬🇧:ユーモアと抵抗の知恵がテーマ。(イギリスは決まった教科書はなくて貸与制らしい)

  • フランス🇫🇷:読取&評論重視。『星の王子さま』や芸術,古典も多め。観光リテラシーを問うテーマもある

  • ドイツ🇩🇪:エンデの『モモ』など。名画・彫刻に関するものも豊富

  • フィンランド🇫🇮:文学が好きになるような教科書作りを目指す。グリムやアンデルセンなど。日本の漫画として『犬夜叉』も紹介されていたらしい

  • ロシア🇷🇺:国語を重要視していて授業時間がめちゃくちゃ長め。ドストエフスキーの長編など

  • 中国🇨🇳:漢詩が豊富で作文重視。毛沢東や麻酔の先駆者の華侘など。中国から見た海外の人の話も多め

  • 韓国🇰🇷:家族の物語や恋の物語など

  • タイ🇹🇭:五戒(殺生,窃盗,外れた行動,嘘,酒の忌避)に基づくものや、環境問題の話など


余談めちゃくちゃ長くなってしまった。ちょっと自由研究の気分でした。

私の”グリム童話”といえばこの本。(違

私の”グリム童話”といえばこの本。(違

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大人の10分間読書におすすめの本

夏休みの課題図書の話をしたので、続けてまた小学生の頃の思い出を話させてくださいな。

地域差あるかもしれませんが、私が通っていた小学校では「朝の10分間読書」という、そのままなのですが、朝の会のあと、授業が始まる前に10分間だけ誰も喋らずに読書をする時間があったんです。教室の後ろの方に置いてある学級文庫から選んでもいいし、図書館で借りた本でもよかったはず。10分って時間は絶妙で、物語の切れ目がちょうど悪かったりしたら名残惜しいだろうな、とか思っちゃいました。笑。

でも、「この10分は読むためだけの時間」と指定されているのって気兼ねなく一人の世界に入っていけるからいいですよね。実際、本を開いて別のことを考えていてもいいし、人がたくさんいる学校という世界で、案外唯一くらいの「(みんなでいるけど)一人の時間」だったのでは...!?


そんなわけで、今日は大人になった今、やるべきもやらなきゃも多い日々ではなかなか難しいけれど、1日10分だけでもどうにか時間をとって読みたい「いい本」のご紹介です。

装丁も素敵で読み終わった後も大事にしたくなるようなその本は...

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