#163 天才が2ページでフレンチトーストを描いたら。
過ごしやすい時期になったな、と思うことが増えてきましたが、お変わりないでしょうか?
今週わたしはかねてから行きたかったパン屋さんと本屋さんというW好きなものが詰まった、東京・日暮里にある「ひぐらしガーデン」さんに行ってきました。

スコーンにキッシュに食パン、あんぱんに塩パンにカンパーニュ、そしてベーグル🥯(ひぐらしガーデンさんの後はこれまた素敵なパン屋Thinkさんへも足を運びました)
晴れた春の日に、テラスでいただく朝ごはん(パン)はとても贅沢なもの。お店の中にはトースターがあって、買ったパンをお好みで焼くこともできます。私はチョコレートベーグルをちょっとだけ焼いてみました。焼くとチョコレートの香りがふわんと漂って幸せ倍増。食べるつもりなかったのに、「カレーパン焼きたてでーす」の言葉に釣られて朝からパンを二つも食べてしまいました。

本屋さんも「美味しいセレクト」がたくさんで、思いの外、雑誌類も豊富。お子さん向けの絵本や児童書エリアも広くていい感じです!私は、田辺聖子さんの『おいしいものと恋のはなし』、それからそういえばシリーズの続きを読んでいなかったなと和菓子のアンシリーズの第二弾『アンと青春』を買いました。書店スタッフさんが「いいセレクトですね!」って声をかけてくれて嬉しかったです。ほのぼの。
ということで、もうこの流れだと紹介するのはこれしかない!

『こんがり、パン』は河出書房新社の「おいしい文藝」シリーズの一味。パン好きとしては見ただけで買うことを決めました。(本屋さんのイベントで出ていらっしゃった一箱古本屋「本さんの本棚」さんで買いました!)
パンにまつわる作家さんたちのエッセイ40篇。多いな!と思ったかもしれませんが、ひと作品はものの数ページ。「あー、もうちょっとだけ食べたい」と思う美味しくて小さなパンのように、「もっと書いて欲しい!」と思うような量が食欲ならぬ読み欲を掻き立ててくれます。
2024年本屋大賞2位『水車小屋のネネ』の津村記久子さんや歌人の穂村弘さん、詩人の長田弘さん、角田光代さんや群ようこさんなど名前だけで読みたくなる方々がズラリ。
私は特に江國香織さんの、それはそれは短い(一番短いんじゃないかと思う)、たった2ページの中にじゅわっと美味しそうなフレンチトーストが、ぎゅっと甘い恋と和やかな家族の話と懐かしの友達との思い出と共に描かれている作品がとっても好きでした。
「たった2ページ」の締めの一文が最高すぎて!!!
フレンチトーストがいかに幸福な食べ物なのかってことを語っているのですが、江國香織さんのすごさを思い知らされる3分でした。(これだけでも買う価値ある作品)
そしてもう一人、気になるタイトルをつけている作家さんがいるではありませんか。