#143 2023年、本代。

そして今更ながらに2023年のベスト6も。
Akane 2024.01.07
誰でも

あけましておめでとうございます。年末年始はゆっくり過ごせましたか?

この本は『旬のカレンダー』という毎月の旬を教えてくれる本。月初に必ず読むので、実は1番再読している本かも...

この本は『旬のカレンダー』という毎月の旬を教えてくれる本。月初に必ず読むので、実は1番再読している本かも...

2024年を迎えたときに、私は『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』を読んでいました。

幼き頃に病院でゲームをしたサムとセイディが大学時代に再会したことをきっかけに、一緒にゲーム制作をして時代の寵児となっていく物語なんですが、ちょうど年末から読み始めたというのもあって、年を越す頃にいいところになっていました。

500ページを超える大作だけど、翻訳がめちゃくちゃ私に合っていたからか「これ誰だっけ現象」にもならないし、ゲームといえば日本というのもあり、メインの舞台はアメリカだけど出張先として東京が出てきたり、私はデジタルゲームはあんまりやらないのだけど、そんな私でも知っているゲームの名前が出てきたり、日本的文化もゲームに取り入れられていたり、どことなく親近感が湧きます。

登場人物たちのバックグラウンドから差別についても切り込んでいたり、仮想と現実の使い分け、失敗の乗り越え方のようなものについても考えさせられる、メインの物語の行方だけに留まらない奥行きのある作品でした。

翻訳苦手な人にも、題材に興味を持てたりする人にはかなり面白く読めるんじゃないかなって思っています。今年1作目の読了本は、かなり当たりで幸先が良い気分です🎯

と、いうことで、前置きが長くなりましたが、本題の「2023年、本代」の話に参りましょう!

(量や内訳に良し悪しなどはなく、こんな読書家もいるんだな、くらいの気持ちでご覧くださいませ📚 私は新刊も古本も、紙の本も電子書籍も、本屋さんもネットも図書館の利用も全部その特性に合わせてありがたく選択しながら使わせてもらっています🙏 )

***

2023年、本代。

昨年も「2022年、本代。」としてやったのですが、レシートを取っておくということをしていなかったので「ネットの購入数がこれくらいで、それよりは本屋さんで買っている金額の方が多いから大体このくらい」という感じで出していました。

今年は反省してレシートボックスを準備し、ポイポイ入れていき年末の今、数えてみました。

各店のロゴやフォントも個性があって面白い

各店のロゴやフォントも個性があって面白い

とりあえず、年間いくらだったか出せたらいいかと思っていたのですが、せっかくなのでとGoogleスプレッドシートに整理をしてみたところ、なんだか興味深い結果が...


まずは、年間の本代ですが、こんな感じでした。

📚 本屋さん

  • 年間総額:141,316円

  • 仮に平均単価を1,500円とすると、大体94冊
    ※レシートはまとまっているものもあったので正確な冊数は分からずでした。

👩‍💻 ネット(ネット経由で買った紙の本)

  • 年間総額:77,305円

  • 冊数  :63冊

  • 平均単価:1,227円

📱 電子書籍(Kindle)

  • 年間総額:9,461円

  • 冊数  :12冊

  • 平均単価:788円

全部の合計は 228,082円、月に直すと大体2万円弱くらいが本代になっていました。割合は本屋さんとネットで購入した、紙の本が9割以上。

思ったよりも結構使っていた...!というのが正直なところでした。

ただ、読書仲間との交流が増えた2023年は本を贈り合うことも増えたし、純粋に本の値段も少し上がっていたり、勉強や仕事で必要な本も増えたりしたので、考えてみると思い当たる節は結構ありました。

スプレッドシートを月別に入力してみたのですが、そこで気になるところがいくつか。

小さくてすみません...拡大してご覧ください🙇‍♀️

小さくてすみません...拡大してご覧ください🙇‍♀️

✍️ 4月のネットのお買い物が多いのはなぜだ...?

これは贈り物の本代でした。在籍しているものづくり系の学校で共に切磋琢磨した同期たちの卒業式的なものがあり、同期の6人に一冊ずつ本を選んで贈ったのでした。(ちなみに私は1年留年させてもらった)

ジュエリーデザイナーには雷鳥社さんの辞典シリーズの中から『石の辞典』、かわいい絵柄の雑貨を作っている作家さんには『家が好きな人』、周りに気を遣ってくれるプロダクトデザイナーには『優しい人には優しい出来事がありますように。』、たくさんのスタッフと頑張るファッションデザイナーには『経営者の孤独。』...といった感じで選びました。

時間がなかったので、自分の本と合わせてネットで一気に9冊購入。基本、本屋さんを回るのが好きだけど、時間がなかったりたくさん買うときには運んでもらえてネットありがたいですね。


✍️ 5月の本屋さんでのお買い物が多いのはなぜだ...?

これは、仕事を休んでいた期間だからです。私はフリーランスでITのお仕事をやっているのですが、4月までの案件で結構HPを消費してしまい、心身復活のために5月は仕事を一部お休みすることにしたんです。それもあって、少し時間に余裕が持てて色々な本屋さんにいくことができていたようです。

本屋さん別の集計もしてみたのですが、月に3店舗くらいが平均のところ、5月は9店舗に足を運んでいました。

読書泊にも出掛けており、そのための本も買っていたのもありそう。

読書泊の道中🚃

読書泊の道中🚃

✍️ 6月のKindle、突然の5000円は...?

これは主に漫画でした。ちょっと気軽に読んでみたら物語、コミックエッセイなどで味をしめた模様...


✍️ 9月は本代が約3万!何をしていたのだ...?

私は欲しい本があると、毎月推しの本屋さんで事前に注文をし、まとめて取りに行くということをしています。そこで大体三冊ほど買うのは毎月のことなんですが、この月は家から少し離れた場所にある気になっていた本屋さんに足を運んでテンション上がって買い込んだようです。

また、ネット購入ではイギリス文化に興味を持ちイギリスの歴史や暮らしの本を買い集めていたこと、英語や会計を始めるために教材を揃えたことなど、趣味や勉強のための本が多くありました。

忘れすぎて中学生からやり直し英語ドリルと可愛いイギリスの本たち🇬🇧 まだ頑張ってます。

忘れすぎて中学生からやり直し英語ドリルと可愛いイギリスの本たち🇬🇧 まだ頑張ってます。

 
✍️ 12月は本屋さんでの購入が多め。何してた?

年末年始用&年明けからの新しい仕事に向けて、好きな本と仕事の本を半々で買っていました。

私は仕事で新しいことをやるとなると、その関連本を3,4冊買って読みます。すると、その中で「どの本にも書いてある共通していること」と「その本にしか書いていないこと」などが浮かび上がってきて理解を助けてくれるので、この買い方は昔からよくやります。

仕事の本は大型書店の丸善さん(丸の内にもあるけれど、私は日本橋によく行く)、好きな本は推し書店・葉々社さんで。

丸善さんはラインナップが広くて見つけたい本が必ずと言っていいほど見つかるし、棚を見ていると関連本にも出会えて気づくと長居してしまう本屋さん。

葉々社さんでは注文しておいた本に加え、お店で気になった本もあれば購入します。人文系のセレクトが特徴的だけれど、注文本も対応してくれる「まちの本屋」さんとしての機能も持ち合わせています。

ということで、2023年、とある読書家の本代でした。

私にとって、本は、例えば物語やエッセイなどで心を動かすものであり、知識や知恵で仕事や暮らしを後押し&豊かにしてくれるものだったり、歴史や言語を通して深く考えさせてくれるものだったり、装丁やフォントや紙を楽しむアートだったり、仲間と語らうコミュニケーションツールだったり、大切なプレゼントだったり、色々な役割で暮らしに関わってくれています。

読む気がしない時はそれはそれで良くて、ゆるやかも激しくも、その時の自分のペースを味わいながらまた1年楽しんでいきたいと思います。

そして、「欲しいと思った本を迷わず買いたい!」という野望(!?)のもと、今年も一所懸命働きます💪(本が私の仕事を助けてくれるし、その仕事が本を買わせてくれる、はず。)

***

って締めみたいな書き方をしながらまだ続くんです、、今日は本当に書きすぎていますが、年始なのでご愛嬌ということで、もう少しだけ....

今更ながらに2023年のベスト6も。

ベスト3とか5じゃないのかい、という気もするのですが、絞りきれなかったので6冊で。

今年発売したものじゃなくて、今年私が読んだものでベストを構成しています。なので、刊行年が昔のものもあります。

まずは小説を2つ。

古内一絵さんが鼻血を出しながら書いたと言われる渾身の一作、『百年の子』。それからこれは昔の本ですが、二年ほど前に『革命前夜』で大ハマりした須賀しのぶさんが書いた『神の棘』。『百年の子』は過去のレターでも書いているので、気になった方はこちらをどうぞ✍️

読み終わった後の「お....おぉ....読んだ.....」という満ちる感じがなんとも言えない。これはちゃんと読んだという過程がもたらせてくれる幸せだと思います。ともに戦争などの歴史を扱った小説ではありますが、読後感は両方とても良いのと、実際に読んだ方からも良い反応をもらえた作品たちです!


それから今年はエッセイ多めで4冊。

年末紹介したばかりですが、急激に2023年の一冊に名乗りをあげた、登場人物たちの粋なカッコ良さに痺れるイギリス旅行エッセイ『祖母姫、ロンドンへ行く!』(前回、反響多し!)、『羊と鋼の森』などで知られる宮下奈都さん家族のユーモア満点で声を出して笑えってしまったり、グッと泣きたくなったり感情忙しい移住エッセイ『神様たちの遊ぶ庭』。

新しいことへ進んでいく勇気をくれる安達茉莉子さんの『臆病者の自転車生活』、そして、『同志少女よ、敵を撃て』で一躍時の作家となった逢坂冬馬さん、『夕暮れに夜明けの歌を -文学を探しにロシアに行く-』が大きな反響を呼んだロシア語翻訳者の名倉有里さん姉弟が語り合う対談エッセイの『文学キョーダイ!!』は、深い思考を重ね合う時間をくれる今読みたい一冊。

次に読む本どうしようかな、と思って迷ったら、ぜひ候補に入れてみてもらえると嬉しいです。

最後になりましたが、ちょっと年始のご挨拶と言いますか、少しだけ。

年明け早々に心が痛いニュースが続きました。微力ながらできることをやって、被害に遭われた方の暮らしが1日も早く戻ることを願います。近隣に住む友人もいるので心配です。どうか、誰もが心の火を灯し続けられる、豊かな一年になりますように。

ということで、年始早々長々とお手紙失礼いたしました。読書家への話は尽きることがありません。こんな調子ではありますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

▼ 感想などお送りいただけると喜びます。紹介した本を読んだよ報告もとても嬉しいです。 (匿名なのでお気軽に。お返事は仕組み上できないのですが、全部ありがたく読ませて頂いています。掲載させてもらうこともあるので、NGの方はその旨教えてくださいね)

📮 追伸:

読書仲間との交流について、前回のレターで、「読書友達はどんなふうに作りましたか?」というメッセージをいただいたので、近いうちレターで考えてみたいと思います!

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