#134 "癒し系作家"、「全然知られていないんだな、と思う」
今週は、過ごしやすい日が多かったですね。金木犀の香りとすれ違うと、「秋だな...!」と感じます。
私は免許の更新に行ったり、健康診断に行ったり、自転車を直したりと、メンテナンスが多かった1週間ですが、いかがお過ごしでしたか?
健康診断帰りにケーキを買って、家でお茶タイムです。
早速なんですが、今日紹介する本は、今週少しの時間でも読んでいたくて健康診断にも連れ本した一冊。
大人気シリーズの癒し系作家の描く、「全然知られていない」側の物語です。
だから、エンターテイメントにする
先にちょっと雑談なんですが、私は、↑の写真の通り、コーヒー、おやつが大好き。これに本をプラスした読書時間は私のチャージタイムだと思っています。
そんな理由もあって、カフェ・喫茶店やお菓子屋さんなどを舞台にした作品が好きでよく読んでいました。
私にとってカフェ系小説の代表格は、古内一絵さんの『マカン・マラン』シリーズ。現在21刷(!)の大人気作品ですが、初めは部数が大きかったわけでも、大きくプロモーションされた訳でもなく、じわじわと口コミや書店員さんの推しで広がっていったそうです。
その後に『最高のアフタヌーンティーの作り方』を読んだこともあって、私の中では完全に「癒しのカフェ系作家」さんとなっていました。
しかし、その後『十六夜荘ノート』という、今時の主人公が面識のない大伯母から一等地にあるシェアハウス・十六夜荘を遺産として渡されたことから見え始める、十六夜荘に住まう人々の歴史の物語を読んで、私は古内さんの印象がガラッと変わります。
物語は、戦時中の伯母がいた時代の十六夜荘の様子と現代とを行き来しながら進行するのですが、特に、戦時中に十六夜荘に住まう若き芸術家たちの魅力にはぐっと掴まれるし、その時代の描写も少し痛いくらいに感じます。加えて、ある謎もずっと付き纏い、最後に回収されるその事実にも驚けて、小説としての完成度も高いんですよ。
職場に持っていってしまって手元にないのですが、これもひとに差し出したい本の中のひとつ。
私個人が歴史要素がある作品が好きというのもあるんですが、改めてこの本はめちゃくちゃおすすめです。「騙されたと思って読んで欲しい」は、なかなか言いづらい言葉ではあるけれど、言ってしまいそうになる作品でもあります。
本題の作品に行く前にだいぶ寄り道をしてしまった。
改めまして、今週私が家でも外でも「どこでもいっしょ」していた本はこちら。