#81 読書泊の記録 〜 本棚に本を戻すまでが読書泊です 〜
ついに、10月に突入です。9月はどんな月でしたか?
今年も残り3ヶ月というと「いやぁ今年ホントに何したっけ」となりますが、それでも日々生きているだけでエライと思うことにしています。
今月は読書週間がスタートしますね!
といっても、読書週間って、実は本が好きなひとでも、そこまで意識されていない気がします。(私も明確に意識しはじめたのは、ここ数年、SNSで見かけるようになってから... )
記念ごと・お祭りごとに興味が薄いタイプでしたが、ある人から「日本のクリスマスだって、言ってしまえば商業的イベントだけど、みんなが楽しい気持ちになるきっかけだから、乗る乗らないの自由はありつつも楽しんだ者勝ちじゃない😁」と言われて、その考え方に乗りたいな、と思ったことがあります。楽しみ上手な人が近くにいるって素晴らしい。
そんな訳で、個人的には本にまだ馴染みがない方々を、この深く興味深い本の世界に誘うきっかけとして、読書週間を楽しんでいきたいと思います✌️
さて、前置きが長くなっちゃったんですが、9月最終週、遅い夏休みとして湖畔のお宿に2泊3日の読書泊に行ってきました。
読書泊、なんて言うと大層な感じに聞こえますが、ただただ部屋のベッドに転がって読んで、温泉に入り、戻ってきて読んで、夕食を食べて、戻ってきて読んで、温泉に入って、転がって読んで、寝落ち。(寝落ちするってわかっているから、寝る支度は完璧にしてから転がるのが大事)
という贅沢ループをする旅です。
今回は、こんな旅の過ごし方もありかも〜というログとしてお楽しみ頂ければ幸いです🙏✨
ちょっと長いので、先に私がやってみて感じた読書泊のポイントだけ書いておきます!色々な前提条件は違うと思うのでご参考までに☺️
読書泊、これをすればもっと楽しめる!
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「読書の定位置」から景色が広がる間取りの部屋であること(重要)
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周囲に観光やアクティビティが少ないこと(リアル読むしかできない)
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できれば2泊以上する(心のゆとりができて没頭できる)
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読めない量だとしても、持っていきたい本は持つ(多少重くなっても、カバンを持って歩く時間は短いのです)
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必要に応じてKindleも活用する(「あれが読みたくなった」の対処として)
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ひとり、もしくは読書家( or ひとり遊びが好きな人 or 無言が耐えられる人 )と行く(食事などは人がいた方が楽しめる)
旅の準備
普通の旅との違いは、読書泊に持っていく本です。
時間帯によっても、場所によっても、読みたいものが違うので、2泊3日で読み切れる量以上になります、よね。(ただし、大量すぎるとカバンが重いので、ある程度は厳選。)
私が旅のお供に選んだのは、
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いとしいたべもの(エッセイ) / 森下典子
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樽とタタン(小説) / 中島京子
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私の生活改善運動(エッセイ) / 安達茉莉子
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考える脚(ノンフィクション) / 荻田泰永
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SAKAMOTO DAYS 1〜5巻(漫画) / 鈴木裕斗
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しょうもないのうりょく(漫画・Kindle) / 高野雀
SAKAMOTO DAYSは「全国書店員が選んだおすすめコミック 2022」6位の作品。道中の本屋で買い足しました。
です。意外とバラエティ豊か。
いつも旅に持っていく本は、登場人物たちと同じ空気を味わいたくて旅行先の土地を舞台にしたものを探すのですが、今回は部屋におこもりスタイルなので特に入れませんでした。
旅行カバンは、以前のレターでもご紹介したことのある読書泊トートバッグに詰めて行ってきました。文庫・単行本の本専用ポケットが計5つあるので、本たちの安全を確保しながら移動できるのがポイントです。
移動も大事な読みタイム
お弁当の写真もっとうまく撮れただろうが...( ⚆ ⚆ )
今回は、列車での移動が2時間ほど。まい泉のお弁当と、おやつのクリームパイを買っていざ乗車。休暇時期もずれた平日の昼間ということで、車内はだいぶ余裕がありました。
なんとなく、これから始まる旅と物語を重ねて、「どうなっていくのかな」という気分を味わいたかったので、行きは小説を読むことに。
『樽とタタン』は、とある喫茶店を舞台にした連作短編で、一区切りのときに窓に目をやると、まぶしい一面の黄緑の畑。いつもと違う風景を目に通すことが思いのほか元気をくれることに改めて気づくのです。(すでに出かけて良かったと思う... )
ふとぅんの上で、定点観測読書
宿に到着し、チェックインなどを済ませてお部屋へ。やることはひとつ。
ふわふわのおふとぅんの上で、早速読書開始です。(ふとん、というより、ふとぅん、って感じだった)
宿の予約をしたときは特に考えていなかったのですが、「読む定位置から見える景色が良い」というのは、このあと、どんどんその効果が増してきます。基本的に外に出ないので、外の色を感じられるのは結構重要です。
この時は、安達茉莉子さんの『私の生活改善運動』というエッセイを読んでいました。
これがまた、めちゃくちゃいい本なんですよ。。しかも、この読書泊という試みにぴったりというか、この旅に持って来られて良かった....と思う本で。
帯の言葉もすてきですよね。
「これでいいや」で選ばないこと。
「実は好きじゃない」を放置しないこと。
この本は別のところでしっかりとシェアしたいなと思っています。確実に、今年のベスト本に入りました...!(旅から帰ってきて、人に贈る用等に追加で3冊買ったひとがここに居ます)
夢中で読んでいると、気づけば空が暗くなり始めていました。
ふと視線をあげたときに、目の前に外の景色が広がっていると、不思議と時計がなくても時間の流れを体で感じられるのです。日々の時間からちょっと離れて、「ただ読むだけ」というのは、とっても贅沢なことだな、と改めて思います。
実際は仕事で急ぎの対応をせねばならない、なんてこともあったのですが、仕事の連絡を見てしまうと気になって「すぐやらねば」と思う性分なので、思い切って手放す勇気を持ちたいですね。
『スマホ脳』でも、「ひとの脳は通知に敏感(ざっくり言うと)」と書かれていたし、もう本能レベルで反応しちゃうので、せっかくの読書泊を楽しむために、スマホは近くに置いておかないとか、時間を決めて見るとかにした方がベターだと思いました。
読書灯&棚が便利でした。もう家のごとく本を散らかす...😇
土地の料理とお酒でまんぷくの中で読む、森下典子さんの食エッセイ『いとしいたべもの』、過酷な冒険ノンフィクション『考える脚』を読んだ後の温泉。
単品でも楽しい食事、温泉、読書がいい感じに融けあいます。そう言う意味でも、「読みたい本」を持っていくのはもちろん、宿の中で過ごすシーンを想像して選書するのも良いかもしれませんね。
窓に目をやれば、外は真っ暗。同じ場所に座っている定点観測スタイルだからこそ、なんだか「読んだなぁ」という気分が増します。
2泊するメリットは、2日目の朝に「もう一度このループができる!」という謎の高揚感が強いことですかね。近距離旅にして交通費が浮いた分、2泊にしたり、もしくはお部屋をアップグレードしてみたりするのも手かな、と思います。
同じサイズじゃないか...?
お宿では、地元の製菓会社さんのお菓子をお茶請けとして出してくれました。1日目はおまんじゅうだったのですが、2日目は梅ざらめが塗されたお煎餅でした。
そのお煎餅は厚手のかわいい和紙で包まれていたのですが、お煎餅の袋のサイズがあまりに文庫なので、これはもしや...と思ってくるんでみると、なんとピッタリ。思わぬ嬉しいお土産になりました☺️
帰るまでが読書泊です
こうして、「2日目ありましたっけ?」という気持ちになりながら、あっという間にチェックアウトの時間に。「大満足だけれど名残惜しい... 」と思いながら帰路へ。
外に出ている時間はほとんどありませんでしたが、行きも帰りも宿の中も、窓から見る空がとてもきれいでした。最近は、空をまじまじと見ることなんて、ほとんどなかったことに気がつかされます。
読書仲間でもある夫は、このときマキャヴェリの『君主論』読んでいた。なぜ今...
ちょっとうまく説明できないのですが、なにかを「取り戻した」感覚を携えて、家のある東京に戻ってきました。
家の本棚に連れて行った本たちを戻して、こうして私の遅い夏休みは終わったのでした。
結論、読書泊、めちゃくちゃオススメです。なかなか環境的に難しいという方も、もちろんいらっしゃると思うのですが、「いつかやりたいことリスト」にリストアップするだけでも、結構気持ちが上がりそう!
読むことに没頭する「読書泊」もいいですが、趣味が同じ読み友達と、読むだけでなく語り合う「読書合宿」もまた、きっと違った楽しみが生まれますね。(やりたい)
ということで、今週はこんなところで👋
今日は20分前というギリギリに書きあげたので見直しの時間が足りず、なにかと不備があったら申し訳ありません。。🙏
それでは、このあと始まる秋本番、健やかに楽しんでいきましょう🍁
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