#195 【📚60人の読書家が回答】「紙と電子、この本どっちで買う？」

さて、今週は、先週マシュマロでいただいた質問が興味深くて気になったので、それをテーマにすることにしました。

その質問というのがこちら。（質問送ってくださった読書家さん、ありがとうございます！）

私も他の読書家のみんなのことを知りたかったのでXで訊いてみたところ、59人の読書家さんが回答してくれました。（感謝...！）私と合わせて60人分の回答をまとめたので、一緒にみていけたらなと思います。

結構大作な感じになっちゃったので、お時間ある時にゆっくりがいいかもしれません。文字数は4500字くらいなので、所要時間は10分強くらいです。（いつもの1.5倍くらい）

ちなみにレターでは文字数の関係でまとめてしまったので、具体的な回答を見たい方はこの投稿↓のコメント欄を見てみてください！

それでは早速！ あんまり時間のない方は太字だけ読んでもわかるように書いています◎

60人の意見をスプレッドシートにまとめて、紙と電子の選ぶ基準のエッセンスを集計しました。（引用は、回答してくださった方のコメントをお借りしています）

その中で見えた、多かったものや興味深いものをピックアップしました！

📚 「小説やエッセイは紙、漫画・実用書・仕事本は電子」な人が多い

回答の中で目立ったのはこちら。面白いのがこの区分けには実用的な面と情緒的な面の2つの観点があったことです。

分かりやすい方で行くと「漫画は本棚スペース問題が発生するので電子」というもの。これは結構みんな納得度が高い気もします。あとは比較的一般書籍に比べて文字が少ないので電子書籍でよく聞く「目が滑って文字が読みにくい」ということも発生しにくいのかも。ただ、全集系もスペース問題で電子で買っている人も一定いらっしゃって、必ずしもそうというわけではないのかしら。

一方で、スペース問題関係なく内容として、文化寄りの本は紙で、実務寄りの本は電子という人も多かったです。情緒的な内容のものは紙の方が馴染みがよさそうなことや、検索や「開いたままにしておける」といったリーダーの特性がマッチしていそう。

📚 シーンによって使い分ける人も多い

「家では紙、持ち歩き用には電子」という方も多かったです。確かに併読派としては何冊も本を持ち歩く形になって荷物が増えがちになりますもんね（私はこれ）。

なるほどな、と思ったのは「お風呂は電子」という話。Kindleはある一定世代から防水加工がされているし、紙の本だと湿気でシワシワになってしまいます。Kindle Unlimitedのような読み放題に登録して、お風呂読書派は電子で楽しむのもよさそう！私もやろうかなと思いました。お風呂で雑誌とか読みたい。

あとは、料理本や勉強には電子を選ぶ方も。料理は買い物の時に材料をすぐに確認できたり、実際に作るときもレシピを置いておけますもんね。勉強も本が閉じちゃわなくて便利。

📚 読書発作には電子！

読書発作とは、特に夜に訪れやすい「面白そう...！今すぐ読みたい！！待てない！（ポチッ！）」のあれです。これは「基本は紙派」という方でも経験したことがある方も少なくないのではないでしょうか。ちなみに私は漫画でよくあります。結果、読書発作で買ったものはずっと電子、それ以外は紙で買い続けるという感じに。

📚 コンテンツ（中身）を買っているのか、物理的な本まるごと買っているのか

こちらも結構多かった！紙の本を買う理由として、中身だけでなく装丁や製本、そして物理の本を身体で感じる体験として楽しみたいという意見。

「好きな作家さんの本は"もの"として手元におきたい」という方や、読み込んだ後の本の感じが「味があって好き」という方も。小説やエッセイとかは実用書やビジネス書などに比べて製本や装丁にこだわっているものも多いから、結果的に紙で買う人が多いというのもありそうですね。

あと、ちょっと違いますが目の健康的な意味で紙を選ぶ読書家さんも👀

📚 本屋さんを推したいので紙で買う

好きな本屋さんを応援したいという気持ちから、その本屋さんで紙の本を買うという方も。私も毎月行きつけの本屋さんで本を買うので、同じ感じです。いずれにせよベースが紙派なので、あまり意識していなかったのですが、↓こちらの読書家さんは電子書籍が向いているけれど、本屋さん応援で紙を買うというのだから推しの力はすごいです！

📚 「共有」「布教」をする読書家は紙で

こちらも結構いらっしゃった「物理的に共有をするので紙」という読書家のみなさま。私も本を誰にかにあげることも多いので、それはやっぱり紙です。スタバのeチケット的な感じで人に電子書籍をあげるというのもできそうだな、と調べてみたら、やはりKindle storeやhonto、Googleブックスなどでありました。

家族と一緒に読むのでという方も多くて、私も子どもの頃から両親＆姉が本が好きでみんなの本棚からも借りて読んでいたことを思い出しました。

ちなみに、電子書籍で読まれる方では、「リーダーを複数台もっているのでリーダーごと貸す」という人も！

📚 特典がついているものは強い

これは紙、電子に限らず、その媒体だからついている特典があるものは強いですよね。紙ならサイン本だったり、電子だったら電子書籍限定書き下ろしやポイント付与、割引だったり。ふと思ったのだけれど、電子書籍でもかわいいしおりあっても面白そう。

📚 物理的に本屋さんに行きづらい場合は電子が便利

地域や環境、時間的なものも含めて本屋さんに寄りにくい場合は電子が便利ですよね。今は書店が比較的たくさんある街に住んでいますが、もし実家（移動には車必須、歩いていると目立つ田舎）にいたら今よりも電子書籍をもっと活用していたかもしれないなと思いました。

📚 「両方買う」という人も少なくなかった

「両方買う」と教えてくれた方の中には「仕事の資料などで必要なものは両方買う、読みやすいのは紙だけど検索は電子が便利」だったり「紙の本が好きだから紙で買うけれど、好きな本はいつでも読めるように電子も買う」という "計画的両方" の方もいれば、「電子で買って読んだら面白くて、これは手元に置いておきたい！」と思ってあとから買って両方持つことになった "出会ってしまった両方" という方も。

📚 ちょっと面白い、独特な基準！

「装丁を並べたいから紙！」の逆もあってちょっと面白い、「しまっておきたいので電子」という発想。笑。私も怖いものははあまり得意じゃないのでちょっとお気持ちわかります。

「基本的に読み上げ機能で電子は読む」という楽しみ方は私がこれまで考えつきもしなかったことなので驚きました。（聞く本＝オーディブルみたいな発想だった）

ということで、たくさん見てきましたけれど、いかがでしたか？

私の基準は、皆さんの回答に結構影響されたところも多いですが、「紙の方が体に入る」「装丁なども楽しみたい」「本屋さん応援」などもありベースは紙なのは変わらず、

• 漫画は新しく買うものから少しずつKindle移行したいと思っている

• お風呂読書（雑誌などを中心）は電子で楽しもうと思った

• 「今どうしても読みたい！」発作読書は多分これからもやめられない

という感じで、電子書籍も活用していきたいなと思います！

昔に比べて刊行点数が増えた結果回転が上がり、少し前の本が買えなくなるといった経験も心なしか増えてきています。そういった本たちも探してみると電子書籍で販売されていてありつけることも。紙と電子ってちょっと記事によっては対極に置かれがちだけど、今回のみなさんの回答とかを見るとやっぱりお互い補完関係って感じがしますよね。

電子になってから読書量が爆上がりという方もいたし、電子の良さを感じながらも自分はやっぱり紙メインだなと認識したという方もいたし、やっぱりみんなそれぞれなんだけれど、そう思うと、こうやって読む媒体の選択肢が増えた時代に本を読んでいられるのはとってもありがたいことだなぁと思ったのでした。

ちょっと長くなっちゃったけれど、あと少し。

私が今回注目したのが、ある読書家さんが教えてくれた電子書籍購入の前提。

なんとなく「電子書籍を買う」というと紙の本と同じように「本を買った＝所有権をゲット」だと思っていたけれど、電子書籍は「コンテンツを閲覧する権利」を買っているのですね。

半年くらい前の記事で「電子書籍で"購入"って書くのは所有権売買に見えるから表現としてよくない！みたいな訴えがあって、アメリカでは表記に対する規制法案が可決した」というのがありました。

Amazonでとあるコミックを見てみると、確かに「買う」と「注文を確定」でした。

この仕組みは、不正コピーを防ぐため。そのため、中古で売るとかはできないし、事業者指定のビューアでのみ閲覧可能、それから、事業者がサービス終了したら閲覧の権利も無くなってしまう可能性が。（過去にサービス終了したところは、返金、他社へ引き継ぎ、閲覧不可になるなど対応は色々）

ただ、テクノロジーの進化でこの流れも変わりつつあるとのニュースも。NFT（改竄できないデジタルデータにする仕組み）を電子書籍に導入することで、電子書籍の「所有権」を売買しようという動きが始まっているそう。NFT活用で「電子書籍内のコンテンツに作者のサインをつける」ということも可能になるとかなんとか...

まだ過渡期ではあるけれど、少しずつ「電子書籍も所有権」の時代に向かっていきそうです！色々な人の努力で読書環境が良くなっていくことに感謝と願いを込めつつ、これからが楽しみです✌️

ということで、めちゃくちゃ長くなっちゃいましたが、今週はこんなところで。

改めまして、協力してくださったXの読書家の皆さま、ありがとうございました！このレターは基本的には購読してくださっている読者の方のみの公開ですが、今回は貴重な情報提供のもと書けているので誰でも読めるような形になっています。

もし今回読んで楽しんでもらえたら、毎週日曜の夜にメールで本の紹介や読書のお話をお届けするニュースレター「拝啓、読書家様」を登録してみてください📚 

1週間ほど経てば二十四節気では「大寒」、一応、暦の中で一年で一番寒い時期になります。どうぞ温かくして気持ちもゆっくり過ごせることを願っています。

それでは、また！

▼ 感想などお送りいただけると喜びます。紹介した本を読んだよ報告もとても嬉しいです。 （匿名なのでお気軽に。お返事は仕組み上できないのですが、全部ありがたく読ませて頂いています。質問は「裏レター（note）」に掲載させてもらうこともあるので、NGの方はその旨教えてくださいね）